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コラム

Subversion 1.6から1.10までの道のり

ページ更新日:2020-06-17

「Apache Subveriosn 1.6から1.10までの道のり」


著名バージョン管理ソフトであるSubversionですが、皆さんが最新版を使っている、という訳ではありませんね。ただ、定期的にバージョンアップが必要ではあります。では、古いバージョンとどこがどう違うのでしょうか。移行計画を建てる際など、検討の必要がありますね。今回はSubversionの1.6から1.10までがどう変更されてきたか、ついてあらましを書いてみましょう。

2018.7.3
(2020.6.17: Subversion1.14LTSがリリースされました。こちらもご覧ください)

Apache Subversion 1.6から1.10までの変更概要

  1.6 -> 1.7 1.7->1.8 1.8 -> 1.9 1.9 -> 1.10
主な変更点 ・リポジトリファイルは上位互換
・AuthZがケース・センシティブに
・HTTPv2のサポート
・Serfライブラリの取り込み
・クライアント側(ワーキング・コピー)のファイル形式の変更
・リポジトリファイルは上位互換
・Neonライブラリの廃止。Serfをデフォルトに。
・BDBサポート終了。FSFSをデフォルトに(BDBは、互換性維持のために残るがエンハンスされない)。
・FSFSバージョンアップ
・svn authコマンド追加
・期限切れ証明書の場合のアクセス許可
・外部マージツールの呼び出しオプション
・認可ルールの拡張
・コンフリクト・リゾルバの改善
・ロードに高速モード追加
その他 ・コマンド・レスポンスの一部変更
・ログ出力増
・ライセンスをApacheライセンスに 
 ・コマンドレスポンスの一部変更  ・コマンド・レスポンスの一部変更
・3方向コンフリクトの表示、Diff拡張
 ・コマンド・レスポンスの一部変更
・リポジトリ圧縮の追加変更
主なメリット ・HTTPv2による高速化 ・キャッシュ優先による高速化 ・新しいFSFSと、それに伴うオプション、ロックの扱い、大規模マージの変更。及び高速化。 ・より高度な認可設定
留意点 ・ワーキング・コピーの形式が変更されているため、クライアントもアップデートし、チェックアウトし直すのが無難   ・httpd.confのMaxKeepAliveRequestsを増やす事が推奨。
・ワーキング・コピーのアップグレード推奨
  ・SASLなしでビルドした場合、use-sasl=trueの設定がエラーになる(胃炎は無視だった)


・大きな注意点は、1.6と1.7の間でワーキング・コピーのフォーマットが変更されているため、サーバのバージョンアップに付帯してクライアント側での対処が必要となることです(アップグレード操作または一旦ワーキング・コピーを削除してチェックアウトをやり直す)。(追記:1.7と1.8の間でも変更されています)
・また、1.7からHTTPv2がサポートされていますが、これはネットワークのプロトコルを簡素化しているため、特に「ネットワークのせいでチェックアウト・アップデートなどの操作が遅い」ような場合に 高速化されます。なお、クライアント側も新しいバージョンを使う必要があります。

なお、 1.11からはリリースの方法自体が変更されます。こちらも合わせてご覧ください。